ブランコを背に、歩き出す
僕とあの人以外に何物も存在しなくなった世界だけれど、僕はたった今、あの人を吊るした
完全に、僕一人の世界になった
世界は、僕一人になった
死体が一つ、あの人を吊るした木の反対側の水平線から、大きな顔を半分だけ覗かせて笑っている
ように、見える
弛緩した筋肉が、微笑みに見えるだけかもしれない
パチパチと、拍手のような音が聴こえる
水平線の死体の眼球が動いた気がした
瞬間、膨らんで、破裂した
眼窩から、黒い生き物が顔を出す
「‐‐‐‐‐。」
何を言っているんだ?
「‐‐‐‐‐。」
そうか、僕を称えてくれているのか
嬉しいな
黒い生き物は、パチパチと拍手をしながら、ぞろぞろと、水平線の眼窩から現れる
数えきれないほどの黒い生き物が、僕を取り囲んで拍手をしている
「‐‐‐‐‐。」
「‐‐‐‐‐。」
「‐‐‐‐‐。」
「‐‐‐‐‐。」
「‐‐‐‐‐。」
嬉しいな
きっと、僕が僕の世界で僕だけになれたことを祝福しているんだね
「・・・・・・。」
!!!!!…………
聞き覚えのある声がした
振り返ると、そこに
黒い生き物の、着ぐるみを着た
………何故
「・・・・・・。」
ああ
「・・・・・・。」
君は
パ チ
—僕を待つ、白いベッドと注射器と
※タイトルからも解る通りディルアングレイのアレから色々引用しています